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エッセイ・コラム 日常生活雑感

地域ケアプラザとの10年間

松谷 隆

 1ヵ月前、自宅から徒歩10分のところにある地域ケアプラザ(以下プラザ)から手紙が届いた。その主旨は今年12月5日の創立10周年記念事業「大感謝祭」への参加要請である。
 そうだ。もう10年もお世話になっているんだ。といっても介護サービスを受けているのではない。心と身体の健康維持のために利用させてもらっている。

 プラザは、横浜市が平成10年に制定した「地域ケアプラザ条例」にもとづき、平成12年に設立された。その目的は担当地域に福祉・保健活動の振興をはかるとともに、住民への福祉・保健サービスおよび介護サービスを提供することである。

 利用のきっかけは、その年の10月、神奈川区役所主催の生涯学習教室の講座、「『楊名時』気功・健康太極拳」に参加できたことだ。これが3ヵ月で終わったとき、熱心な師範の「継続して練習しよう」との提案に応え、10数名の受講生とともに自主教室を作り、現在に至っている。
 この間、月4回の会場使用料の支払いはなし。最初の5年間は健康増進のためという名目で、その後はメンバーがボランティア活動をした実績による。こんなありがたいことはない。
 しかし、この施設の使用希望グループが増加してきたため、数年前より、申し込み順は抽選で決められ、第一希望日を予約できないときもある。だが、これをボヤクようでは、身の程知らずというものだ。

 公募で選ばれた社会福祉法人がプラザを運営している。当然、豊富なノウハウを活用して、介護予防、子育て支援、高齢者向け講座そして地域交流などの内容も豊富な講座を揃えている。
 成人男性向けの講座も多い。今年のお盆、「男の身だしなみ教室」に誘われた。当初、孫の里帰りで躊躇したが、職員の熱心な勧誘を断れなかった。が、参加して大成功。洗髪、洗顔、ひげそりそれぞれ細かな注意点を習い、早速実行して楽しんでいる。
 特に、「男の交流会」はおもしろいプログラムが準備されてきた。残念ながら、時間がとれず見送りが多い。だが、昨年2月の味噌づくりだけには参加でき、今春その成果を十二分に楽しんだ。その後、ビール工場見学や、肉ジャガをはじめ、餃子、バンバーグ作りを行っている。来月は牛丼作りだが、また参加できない。
 それでも、タイミングがあえば、ぜひ参加したいと思うのは、訪問のたびに職員たちが元気な声で挨拶してくれることと彼らの笑顔が絶えないからである。これは、かつて行政が運営していた地域ケアプラザには見られなかった。これが続く限り、プラザは発展するにちがいない。

 「大感謝祭」では仲間とともに精一杯、楊名時健康太極拳の演舞をするつもりである。さらに、今後はできる限りボランティア活動に参加し、この『片倉・三枚町ケアプラザ』の事業にすこしでも貢献しながら、いままでどおりお世話になりたいと願っている。

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