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「800字文学館」

日本を侵略せよ!

中村 晃也

 超大国となった隣国での、国民が満足に暮らすための基本三要件の現状は以下の通りである。
 土地:森林破壊により土地の保水能力が低下し、雨水と表土が河川、海に流出し、国土の38%が荒漠化の途中にある。残りの三分の二に総人口の98%が生活しているのが現状。
 水資源:主要110都市が深刻な水不足。国全体でも必要な水資源の三割しか確保できていない。しかも地下水源の80%と地下水の45%が汚染され、都市部では90%がコントロール不可能な汚染状況。現在二億人以上が安全でない水を使用している。
 海域でも渤海の79%、東シナ海の78%、黄海の45%、南シナ海の28%が漁業に適さない水質になった。
 空気:特に石炭火力に頼っている北部~東北部は「人類が暮らすことのできない程度まで汚染が広がっている。2013年の大気汚染を原因とする死者は92万人」(清華大学)という状態。

 加えて不動産バブルの崩壊と経済成長の鈍化により発生した二億六千万人の流民(80%は、農民工と呼ばれる非正規労働者層)は、極端な経済格差に喘ぎ、暴動予備軍の様相を呈している。

 共産党政権を維持するためには、国内問題解決の努力は当然ながら、人民の生存空間を国外に求めるほか方法が無いのではないか?

 具体案(仮説)としては、
 ①十四億の人民を保持するためのエネルギーと食料の確保のために領海の拡大とシーレーンの確保
 ②汚染していない領土の取得(周辺国侵略)を志向するのが得策。対象としては最貧国のベトナム、フィリピンは侵略する価値はないし、朝鮮半島は問題が多い。
 結論として日本こそが最適対象である。(良質な水がある。クリーンな空気がある。人口減少に直面している。憲法の制約があり、自衛意識が特に低い。)

 そこで、尖閣諸島を足がかりに流民を装い、沖縄、九州の順に長期的に浸透、進出、拡大を目指せば来世紀には列島は確実に中国の支配下に収まる。

 右の仮説に対して、日本人はどう対処すべきか?

数字データーは環球時報より抜粋

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