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「800字文学館」

年越し数え歌

稲宮 健一

 一つとせ、一年(ひととせ)残りもあと数日、俺の終わりは幾歳か。鯰っ子よ、騒がずそれまで寝ててくれ。
 二つとせ、二桁成長過去の夢、せめて示せよプラスの値、脳なしばらまき赤字のもと。あと四歳、知恵を絞って、カネカネと頼らずに、真剣に探せ、グローバル強味。
 三つとせ、民主党、今度も越せない三桁の勝利、鳩菅超えて、出でよニューフェース。ダム工事ちょっと止めても、壊せない、一番軽んじ落第し、腰砕けにうんざりだ。

 四つとせ、四方八方、俺は強いとデモする国、まずは自分の都のもやもや空気を清めたら、三十年までに削減します胸をはる。だがね、お嫌いでも、正確な数値目標を掲げ、人の住める都にしたら。勢いだけでは、すぐに面子丸つぶれ。
 五つとせ、かつてG五、今じゃG二十、雨後の竹の子、新興国。金持ち増えた割には、きな臭さは消えない。昔から、鉄砲持つより筆をもて、それができなきゃ、十七歳の乙女に笑われる。
 六つとせ、六か国協議はもう死語か、核実験に、人さらい、何が正義か聞いてみたい。衛星放送で壁が破れたのはドイツとな。やっぱり、衛星受信のスマホでもばらまくか。

 七つとせ、現れよイスラムの竹林の七賢人。説けよ、イスラムの聖職者、殺戮の果てに、天国築く宗教はないと。
 八つとせ、八方ふさがりとはよく言った。金をばらまきゃ、大企業で糞づまり。インフレ起きろと扇で煽るが、安い石油が水を差す。借金減らすと税取りゃ、景気が下向き大慌て。霞が関でシャッタ街減らす秘策練り、俺は東京に住みたいとは虫がいい。当てもないのに県外叫び、沖縄分裂の種仕込む。
 九つとせ、九州めぐる「ななつ星」、豪華列車で夢旅行、お金ばら撒くハウツー教えます。せめて乗りたや、九州横断列車、湯布院、別府、指宿でふやけます。

 十とせ、とうとう今年もあとわずか、年越しそばで厄払い、来年も無い知恵絞り、書きますわよで、ボケ防止。祈念します、企業OB皆様のご健勝。あなかしこ、あなかしこ。
(オッペケペー オッペケペー オッペケペッポ ペッポッペー)

(二〇一四・十二・二四)

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