作品の閲覧

「800字文学館」

もう一度行きたいゴルフ場(その3)

松谷 隆

 アメリカでは住宅建設の際、デベロッパーがプライベートゴルフ場と併設する場合も多く、メンバーシップ付きで住宅を販売している。ゴルフに興味のない人にはテニスやスイミングのオプションもある。
 入会するには、そのクラブのメンバーの紹介が必要である。クラブによっては、希望者の腕前、マナーなどをチェックし、入会可否を決めている。

 筆者が1991年に入会したのはコースの周りに、100万ドル以上の豪邸が並んでいるBlackhawk Country Clubで、サンフランシスコ湾の東岸ダンビル市の郊外。シリコンバレーから約50マイル、車で1時間強のところ。
 クラブ敷地内に住んでいた顧客のアメリカ人幹部かプレーに招待されたのが切っ掛けだった。。

 ゲートではガードマンが必ず会員証を確認し、ビジターは事前登録なしには入場不可と厳しかった。
 クラブには各18ホール、パー72のレイクサイドとフォールズの2コースがある。前者はアップダウンが激しく、カードが必須だ。特に、18番ホールは360ヤードの打ち下ろし、第二打は池の中のグリーンを狙うというエキサイティングなコース。2006年から4シーズン、女子プロのトーナメントが行われた。
 後者は比較的穏やかながら、1番と10番ホールが急激な打ち下ろしと厄介なコースだ。
 夫々のクラブハウスでは素敵な料理と雰囲気のよいバーがあり、19番ホールが楽しみのひとつだった。特にスコアの悪い時には猶更だ。

 両コースとも難しく、90を切れば万々歳だった。だが、レイクサイドで一度だけチャンスがあったといえる。出だし連続パー、3番は2打でグリーン左サイドのラフ、初バーディと思ったのが間違い。トップ、バンカーでの打ち損ねの連続で、なんと+7。4番から7番までパーの連続。これはと思ったところ、8番は連続川に打ち込み+4。9番もパー。後半で挽回を狙うも終わってみればやっと100を切れたしだい。
 帰任後レイクサイドが全面改修されたので、ぜひもう一度チャレンジしたいコースである。

作品の一覧へ戻る

作品の閲覧