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「800字文学館」 日常生活雑感

デジタル家電受難

松谷 隆

 地上アナログ放送の終了、来年7月24日が近づいたためか、最近ご近所で地上デジタル放送への切り替え工事が多くみられる。

 我が家の地デジ対応は2年前に始まった。きっかけは、突然停電になったことである。ブレーカーを見るとオフで、オンにしてもすぐオフになる。東京電力へ連絡するとすぐ調査にきて、10年以上使ってきたテレビの漏電が原因と突き止めた。その場で、「使用禁止」と封印されたので、地デジ対応のテレビとアンテナを近所の電気屋から買った。

 それ以降、問題はなかった。しかし、今年の5月中旬、4年しか使っていないVHS・DVD兼用ビデオレコーダーが動かなくなった。メーカーに確認すると「修理不可能」という。4年でアウトとはうまい設計をするものだ。

 その直後にアメリカへ行き、帰国した7月中旬に、量販店で同一メーカーの2台目のテレビとデジタルハイビジョンレコーダーを買った。既存のアナログBSテレビと一緒に据付け・設定の約束が、来たのは運転手だけ。配送した機器以外は無理と言い、逃げ帰った。やむなく先の電気屋さんに据付けを依頼するはめになった。

 さて、アメリカにいる孫が望む番組を録画し、ファイナライズ済のDVDを送ったところ、それが再生できないと連絡があった。エラーメッセージは「NOT SUPPORTED」で、最悪だ。孫のプレーヤーはデジタル対応のS社製ポータブルで、日本製のDVD映像を見るために、わざわざ娘婿が昨年日本から持ち込んだものなのに。

 原因究明のため、量販店に「デジタルで録画したDVDを販売中のポータブル・プレーヤー全機種でテストさせろ」とねじ込んだ。4機種でテストの結果、なんとS社製だけが再生できなかった。販売員に聞くと「デジタルは各社の対応がバラバラです。本件はS社に報告します」というだけ。

 結論は、アナログ放送での番組を録画したものを送るしかない。しかし、来年7月25日以降はどうしてくれるんだ。

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